退職金の税率は、他の所得税や住民税と比較すると軽減処置が図られている。つまり、退職金の税率は一時所得扱いとされているので税金が安くなるのだ。役員の退職金の税率も同様である。それでは退職金の税率の計算方法や役員の退職金が賞与とされ追加の税金を支払わされた事例も紹介しよう。
退職金の税率は、他の所得税と比較すると軽減処置が図られている。退職金はかなりまとまった金額となるため、そのまま課税されてしまうとものすごく高い税率になってしまうからである。 まず給与所得などに用いられる総合課税方式とは別に退職金の税率には分離課税方式が用いられる。分離課税方式というのは他の所得とは区別して、独自に退職金の税率を計算するやり方である。 つまり、退職金の税率は一時所得扱いとされているので税金が安くなるのである。
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もうひとつは退職所得控除と言われるものであるが、退職金から勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引いた残額の2分の1を課税対象額とするものである。一定の税率で計算される事になるので、退職金にかかる税額が軽くなるように優遇されているのである。 分離課税方式での退職金の税率の計算は、まずその収入金額から「退職所得控除額」を控除する。退職所得控除額とは、勤続年数に1年当たり40万円、21年目以降は1年当たり70万円をかけた金額である。であるから、例えば勤続年数20年の場合には40万円×20年で800万円、同じく勤続年数が30年の場合には40万円×20年+70万円×10年であるので1,500万円が控除額となるわけである。そしてさらに、その控除後の金額を2分の1とした金額が所得金額となる。つまり半額しか課税されないということである。 日経連がまとめた退職金の実態調査によると、大卒男子のサラリーマンが60歳で定年退職した場合の退職金は2,563万円である。この退職金をもとにして上記の退職金の税率をあてはめて勤続年数を37年と仮定して計算してみると、退職所得金額は286.5万円となる。この退職所得金額に所得税の税額(330万円未満は税率10%)を適用すると286.5万円×10%で28.65万円である。退職金の2,563万円からみて税額は約1%であるから、どれだけ退職金の税率が優遇されているかがわかって面白い。
このように退職金は一時所得扱いとされているのでその税率は所得金額の計算自体がとても優遇されていて、税負担はかなり軽くなることになる。このような退職金の税率をもとに、退職金に対する税金の計算はその支給者である企業が行って源泉徴収する。退職者は会社に「退職所得の受給に関する申告書」に勤務年数等の記載をして提出する必要がある。この「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出しなかった場合、退職金の税率を20%で厳選徴収されてしまうので、その場合は確定申告をして清算する必要があるので注意が必要である。 そもそも退職金とは功労賞や賃金の後払いであるとか、老後の生活を支える大事な資金であったりと、大きな意味を持つものである。であるが現在、退職金の支給額は徐々に縮小傾向にあるようだし、中小企業は大企業と比較してやはり金額面でも少なくなってきているので、なおさら退職金の税率について知っておく必要があるのではないだろうか。 つまり、退職金の税率は一時所得扱いとされているので税金が安くなるとなるということである。
大阪商業大などを運営する学校法人「谷岡学園」が大阪国税局の税務調査を受け、谷岡学園が昨年退任した谷岡太郎・前理事長(82)に支払った退職金計約13億円のうち約6億円について、「税負担が軽減される退職金ではなく、賞与にあたる」として、源泉所得税の徴収不足を指摘していたことがわかったという。谷岡学園は不納付加算税を含め計約1億円を追加納付したそうだ。 同学園などによると、谷岡前理事長には1997〜2005年、同大学長や法人理事長の退職時などに計3回、約2〜8億円の退職金が支払われ、総額で約13億円になった。 退職金は源泉所得税の徴収時、勤務年数に応じた控除額を差し引き、その額の2分の1の額に税率をかけて税額を求めるなど賞与に比べて税率の負担が軽い。国税局は同学園の退職金算定に間違いがあるとして、退職金のうち約6億円を賞与としたという。 谷岡学園の西川直亮・人事課長は「国税局とは見解の違いがあったが、追加納付に応じた。前理事長は個人の資産を投げ打って学園の発展に寄与しており、適正な退職金額だった」と話しているそうだ。